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2024/08/15

ハラスメントの影響・問題の原因とは?従業員・企業への作用・対策

パワハラやセクハラなど、職場内でのハラスメントに頭を悩ませている管理者や人事担当者、経営者の方は多いのではないでしょうか。ハラスメントは当事者が被害を被るだけでなく、関係者や企業の活動にも影響を及ぼします。

この記事ではハラスメントの原因、従業員や企業に与える影響や対策について解説します。

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1.ハラスメントが従業員(当事者)に与える影響
2.ハラスメントは当事者以外にも影響が出る
3.ハラスメントが企業に与える影響
  ・組織の生産性・人手不足問題に波及する
  ・企業ブランドが損なわれる
  ・法的リスク(訴訟・損害賠償)が伴う
4.ハラスメント問題の原因と、企業ができる対策
  ・相談窓口を設ける
  ・コミュニケーション・ハラスメントの研修を実施する
  ・社内規定を改善する
5.ハラスメントに関する基礎知識
  ・ハラスメントの定義・種類
  ・日本におけるハラスメントの実態
  ・ハラスメントに関する法律「パワハラ防止法(労働施策総合推進法)」
6.まとめ


1.ハラスメントが従業員(当事者)に与える影響


上司や他の従業員からのハラスメント行為があれば、従業員の心身には大きな負担がかかります。日々のストレスでメンタルヘルスが悪化し、精神疾患に陥るリスクが増加します。

また、大きなストレスを受けた場合は、PTSDなどの後遺症が出て長期間苦しむこともあるでしょう。
ハラスメントによって仕事の生産性が落ち、日常生活に支障をきたしたうえ、精神疾患が深刻化すると長期休暇が必要になることがあります。

2.ハラスメントは当事者以外にも影響が出る


ハラスメントは当事者だけでなく、関係者にも影響を及ぼします。

ハラスメントが事件として広く知られた場合には、社会にさまざまな世論が沸き起こるでしょう。企業イメージが低下し、企業活動に支障をきたすことになります。
また、SNSで拡散されると、当事者の家族や関係者への誹謗中傷という新たな問題を生みかねません。

3.ハラスメントが企業に与える影響


職場内のハラスメントを社会が知ることになった場合、企業活動や企業の存続にマイナスの影響があります。
ここでは、ハラスメントが企業に与える影響について個別に解説します。

組織の生産性・人手不足問題に波及する


勤労意欲が奪われたり、業務に集中できなくなるなど、ハラスメントによって生産性が低下することがあります。被害者は精神的なストレスを抱えて業務効率が悪化し、組織の生産性に影響を及ぼすでしょう。 また、ハラスメント体質のある職場は居心地が悪く、離職者が増えて人手不足になります。

その結果、他の従業員への過重負担を強いることになり、職場内のストレスが増加して、さらなる離職を招く悪循環を引き起こすのです。


企業ブランドが損なわれる


ハラスメントの問題が社会に知られると、企業のブランドイメージが損なわれ社会的信頼を失う事態に発展します。営業面では売上や契約数の減少を招き、採用面では優秀な人材を確保しにくくなります。
企業がハラスメントによって生じた問題に迅速に対応せず放置していると、長期間にわたって社会的信頼が低下し続けるでしょう。顧客だけでなく、投資家の企業に対する目も厳しくなります。そうなれば長期的な成長戦略に支障をきたし、競争力の低下は免れません。

法的リスク(訴訟・損害賠償)が伴う


ハラスメントの問題に適切に対応しないと、企業は法的なリスクを負うことになるでしょう。
訴訟に発展し、損害賠償責任が発生するおそれがあるためです。多額の賠償金と法的手続きの負担が発生することで、利益に影響が出ます。
また、訴訟によって、経済的な損害だけではなく社会的信頼が大きく損なわれるでしょう。
その結果、経営に深刻な影響を及ぼすことになります。


4.ハラスメント問題の原因と、企業ができる対策


ハラスメントの原因として、以下が挙げられます。
  • コミュニケーション不足・価値観の相違や認識のズレ
  • 職場環境・マネジメント体制の未整備
  • リスクマネジメントの不足

残念なことに、未だに職場のハラスメントに鈍感で問題の本質を理解していない世代が存在します。
ハラスメント行為に対する認識のズレをなくし、誰もが気持ちよく働ける職場環境を作るためには、きめ細かな労務管理やルールづくりが必要です。対策方法について、以下で例を挙げて解説します。


相談窓口を設ける


相談窓口を設けることは、ハラスメント対策の第一歩です。現在、労働施策総合推進法(パワハラ防止法)によって、すべての企業にハラスメント窓口を設置することが義務化されています。

窓口の担当者には、法的な知識のある経験豊富な人事担当者を置くことが一般的です。社内に専門性を持つ人材が乏しい場合は、外部の専門カウンセラーに委託する方法があります。
匿名相談に対応する、社内の人間関係とは無縁な外部機関を利用するなど相談しやすい環境づくりを行い、問題に早期に対応し、深刻な事態を未然に防止することが重要です。


コミュニケーション・ハラスメントの研修を実施する


ハラスメントは、職場の管理職やリーダーがその存在を正しく認識する必要があります。

上司と部下のコミュニケーションに、「アサーティブコミュニケーション」の考え方を取り入れた研修を実施することが有効です。アサーティブコミュニケーションとは、相手の人格や意見を尊重しつつ自分の主張を正確に伝えるコミュニケーションを指します。
アサーティブコミュニケーションを身に付けることが、研修のゴールです。


社内規定を改善する


ハラスメント行為を行った従業員に対して何らかの注意や処罰を与えるためには、どのような行為がハラスメントにあたるのかのガイドラインや、禁止事項や処罰について明文化する必要があります。就業規則や服務規程など、社内規定を改定することで対応します。

法改正に対応して内容を更新することはもちろん、社会規範を盛り込むことが社内規定改定のポイントになるでしょう。
社内規定は正社員以外の従業員やアルバイトにも徹底して周知するとともに、問題が生じたときに早期に把握できるような監視体制を敷くことも重要です。

5.ハラスメントに関する基礎知識


ここからは、ハラスメントについての基礎的な知識を押さえておきましょう。
ハラスメントの定義や種類、日本の状況と、法律について簡単に説明します。

ハラスメントの定義・種類


ハラスメントとは、相手が嫌がることをして不快な気持ちにさせる行為です。
職場においてよく知られているものとして、次のようなものがあります。

 ● パワーハラスメント(パワハラ)
 ● セクシャルハラスメント(セクハラ)
 ● マタニティハラスメント(マタハラ)
 ● カスタマーハラスメント(カスハラ)

たとえばパワーハラスメントは、職場での優位な立場を利用して、業務上に必要な範囲を超えた言動によって苦痛を与えることや就業環境を害することです。
同様にセクシャルハラスメントは、職場での労働者による性的な言動が対象です。

日本におけるハラスメントの実態


2023年に厚生労働省の委託事業として実施された職場のハラスメント実態調査によると、過去3年間に企業に相談のあったハラスメントではパワハラの割合が最も多く、全体の6割の企業が回答しています。次いでセクハラ・カスハラなどの割合が多くなっています。

また、過去3年間の相談件数の推移ではカスハラの増加が最も顕著で、次いでパワハラ、マタハラや介護休業等ハラスメントの増加が見られる状況です。

参考:厚生労働省委託事業「職場のハラスメントに関する実態調査報告書」

ハラスメントに関する法律「パワハラ防止法(労働施策総合推進法)」


2019年6月5日に成立した「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律」の一環として、労働施策総合推進法が一部改正されました。これがいわゆる「パワハラ防止法」と呼ばれるものです。

パワハラ防止法が求める職場でのハラスメント対策は、2020年6月から大企業で義務化され、2022年6月からは中小企業でも義務化されることで、すべての企業に対策を実施する必要性があります。

5.まとめ


ハラスメント行為は従業員の心に深い傷を与え、就業困難に陥らせることがあります。大切な人材が能力を発揮できない状態は、企業にとって損失といえるでしょう。またハラスメント行為が社会に知られると、企業への信頼が損なわれて事業の発展に支障をきたします。
被害者が企業を訴えると企業は損害賠償責任を負い、賠償金の支払いによって利益が損なわれます。

このようなケースに備えて、損害保険会社が提供する「雇用慣行賠償責任保険」への加入を、リスクマネジメントの選択肢の一つとして検討しましょう。
雇用慣行賠償責任保険とは、企業側が入る保険で、ハラスメントで訴訟を受けた際の法律上の損害賠償責任を補償する保険です。



三井物産インシュアランスは、三井物産グループにて長年に亘り培ってきた保険リスクマネジメントの知見を活かし、最適なリスクソリューションを提供します。
ハラスメントを含めた、企業経営のリスクヘッジにかかわるお悩みはぜひお気軽にご相談ください。

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三井住友海上 B24-100438 2024年8月




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