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2024/09/09

KYTとは?労働安全衛生に関する危険予知訓練をしましょう!

労災による死傷者数が、昨年1年間で合わせて13万5,317人となり3年連続増加となりました。(※1)
このような状況を踏まえると、労働安全衛生は、企業の持続可能な成長と従業員の健康を守るために欠かせない要素といえます。特に、危険予知訓練(KYT)は、労働災害を未然に防ぐための効果的な手法として広く認識されています。

本コラムでは、KYTの基本概念、その重要性、そして具体的な事例について詳しく解説します。

(※1)事業者から提出される労働者死傷病報告書をもとに、休業4日以上の死傷者数を集計。なお、これらの件数に通勤中に発生した災害の件数は含まない。(参考:令和5年の労働災害発生状況を公表|厚生労働省

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1.KYTとは?
2.KYTの重要性
3.従来の後追い型の安全管理から先取り型の安全管理へ
4.KYTの具体的な事例
まとめ


1.KYTとは?

KYTは「危険(K)」「予知(Y)」「訓練/トレーニング(T)」の略で、作業現場で潜む危険を予測し、その対策を考える訓練です。
この訓練は、作業員が危険を発見し、その対策を考える能力を高めることを目的としています。KYTは以下の4つのラウンドに分かれています。

1R

どんな危険がひそんでいるか

作業や職場の状況を観察し、潜在的な危険を発見します。

2R

これが危険のポイント

発見した危険の中で特に重要なものを特定し、対策を考えます。

3R

あなたならどうする

具体的な対策を出し合い、実行可能な方法を検討します。

4R

私達はこうする

チーム全体で合意した対策を実行し、効果を確認します。

2.KYTの重要性

KYTは、労働災害を未然に防ぐための重要な手段です。
以下にその具体的な理由を挙げます。

事故防止

KYTは、従業員が日常的に直面する危険を予測し、その対策を考えることで、事故の発生を未然に防ぐことができます。
例えば、製造業では機械の操作ミスや設備の故障が重大な事故につながることがありますが、KYTを通じてこれらのリスクを事前に把握し、対策を講じることができます。

従業員の意識向上

KYTは、従業員が自ら危険を発見し、その対策を考えるプロセスを通じて、安全意識を高める効果があります。
これにより、日常の業務においても安全を第一に考える習慣が身につきます。

チームワークの強化

KYTはチーム全体で行う訓練であり、メンバー間のコミュニケーションを促進します。
これにより、チーム全体の連携が強化され、効果的な対策が実行されやすくなります。

法令遵守

労働安全衛生法に基づく安全管理体制の構築は、企業にとって法的義務です。
KYTはこの体制を強化する手段の一つであり、法令遵守の観点からも重要です。

3.従来の後追い型の安全管理から先取り型の安全管理へ

従来の安全管理は、事故や災害が発生した後に対策を講じる「後追い型」が主流でした。
しかし、これでは事故が発生してからの対応となり、被害を完全に防ぐことはできません。そこで、近年注目されているのが「先取り型」の安全管理です。

先取り型の安全管理とは、潜在的な危険を事前に予測し、その対策を講じることで事故を未然に防ぐ手法です。このアプローチは、リスクアセスメントやKYTなどの手法を活用して行われます。

リスクアセスメントの導入

リスクアセスメントは、作業手順や環境を詳細に分析し、潜在的な危険を特定するプロセスです。
これにより、危険が顕在化する前に対策を講じることができます。

プロアクティブな対策

先取り型の安全管理では、危険が発生する前に対策を講じることが求められます。
これにより、事故の発生を未然に防ぎ、従業員の安全を確保することができます。

継続的な改善

先取り型の安全管理は、一度対策を講じたら終わりではなく、継続的にリスクを評価し、改善を行うことが重要です。
これにより、常に最新の安全対策を維持することができます。

4.KYTの具体的な事例

ここでは、KYTが実際にどのように行われ、どのような効果をもたらしたかを具体的な事例を通じて紹介します。

製造業における事例

金属製品の切削加工作業中、切粉を刷毛で払っていたところ、着用していた軍手が回転する切削刃に巻き込まれそうになった。
・作業手順の見直しと標準化
・作業時は軍手及び腕抜きを着用しない等の安全教育の強化
・清掃作業中の機械の停止の徹底と安全装置の点検
これにより、同様の事故の再発を防止することができました。

建設業における事例

足場の組立作業中に作業員が高所から転落する事故が発生。
・足場の設置手順の見直しと標準化
・作業員への高所作業の安全教育の強化
・安全帯の使用の徹底
これにより、同様の事故の再発を防止することができました。

サービス業における事例

店内の清掃作業中に作業員が滑って転倒する事故が発生。
・清掃手順の見直しと標準化
・作業員への安全教育の強化
・滑り止めマットの設置
これにより、同様の事故の再発を防止することができました。

まとめ

KYTは、労働災害を未然に防ぐための効果的な手法であり、企業の安全管理体制を強化するために欠かせない要素です。
KYTを通じ作業員の安全意識を高め、チームワークを強化し、法令遵守を徹底することができます。

このコラムが、労働安全衛生の重要性とKYTの効果を理解する一助となれば幸いです。
ご相談やご質問がございましたら、お気軽にお知らせください。

弊社の親会社である三井物産インシュアランス・ホールディングスでは、先取り型の労働安全施策を提案しています。お困りごと等がございましたらお気軽にご相談ください。


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参考:
職場のあんぜんサイト:危険予知訓練(KYT)[安全衛生キーワード] (mhlw.go.jp)
厚生労働省 KY活動- 10 参考文献rev2.doc (mhlw.go.jp)
職場のあんぜんサイト:ヒヤリ・ハット事例 (mhlw.go.jp)